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読書

小説「平成トム・ソーヤ」スリの技術を持つ主人公の大冒険

2018/11/16

こんにちは。
Magiyamaです。

みなさんGWはどうお過ごしでしょうか。

今日は、僕の好きな小説を紹介したいと思います。
それは...

『平成トム・ソーヤ』

です。
この小説は高校生のときに読んだのですが、また読みたくなり、最近読み直しました。

やっぱり、何年か経つと細部は忘れてしまうのか、大筋は知りながらも新鮮に楽しむことができました。

なによりも、この小説で感じたワクワク感は全く色褪せていませんでした。

あらすじ
主人公は、受験を控える普通の高校生ノムラノブオ。彼の特技は、神業の域のスリ。決してバレることなく、確実にスることができる。ある日、そんなノブオのテクニックを目をつけた同級生のスウガクから声をかけられる。彼の口から発せられたことは、“難関大学合格のための作戦”だった。しかし、それはノブオたちにとって危険な作戦。その二人に女子高生のキクチが加わり、彼らの冒険が始まる...

 

この本を知ったのは、ピックポケット(スリのテクニック)についての研究にハマっていた、絶賛中二病発症中の高校生のときでした。スリに関する情報をインターネットで調べるとちょうど何冊か見つかったので、読んでみようかと思ったことがきっかけです。

この作品もその一つでした。

まず第一の素晴らしさは、読んでいるときの疾走感です。本を読んでいるとすぐのその世界観に引き込まれ、主人公になったつもりに錯覚し、青春時代のなんともいえない冒険心を味わうことができます。こころだけが高校時代にタイムトリップしたような感覚です。(読んだ当時は高校生でしたが...)

読んだあとは、何か凄いことを成し遂げたんだという達成感が残ります。余談ですが、読書体験は、現実の体験にひけを取らないくらい大事だと思います。

僕が、この作品で好きなところは、スリを実行するときの描写です。

時空の挟間をとらえたりと現実離れした手の動きをしますが、その描写がまるでCG映像を見ているかのごとく脳内で再生されます。確実にありえないと分っていながらも、主人公が行う動作ひとつひとつを理解し、明瞭に想像することができます。物語序盤は、財布からお金を盗む一般的なスリのテクニックがメインに使われます。しかし、後半はかなりパワーアップします(その一部パワーアップの方法は、かなりジャンキー)。相手の手に持っているものをほかのものに入れ変えたり、鍵のかかったアタッシュケースからモノを盗むなど、映像化したら面白いだろうなと思うものがいくつかありました。

突っ込みどころはかなりあります(特にジャンキーなパワーアップ)。しかし、それもこの作品ならではの面白さだと思います。青春時代ならではの心の葛藤は、映画『クロニクル』の主人公に似たようなものがありました。

特に何にも考えずに読めるエンターテイメント小説。おススメです。

平成トム・ソーヤー (集英社文庫)
原田 宗典
集英社
売り上げランキング: 38,288

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magiyama

1992年生まれ。名古屋・京都・東京を転々とし、現在はイギリスに拠点を移しブロガー兼フリーランス翻訳者として試行錯誤する毎日を送っている。ロンドンから生の音楽シーンやカルチャーを届ける他、一生モノのプロダクトを紹介。趣味はマジックとけん玉。

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