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読書

書籍「知的生活の方法」の感想!価値を見抜く力を磨こう

2018/11/12

「知的生活」と聞いてどんな生活をイメージしますか?

今回紹介する本は『知的生活の方法』(渡辺昇一著 1976年刊行)。

昔、古本屋で何か良い本はないか探していたときに「知的生活」という言葉がぱっと目に入り、「知的生活って何だろう?」と詳しく知りたくて購入しました。

今回の記事では、本読んだ感想と心に残った言葉について紹介します。

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知的生活ってなに?

表紙に定義が書いてありました。

知的生活とは「頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ生活」である。
ー「知的生活の方法」

もともと知的生活という言葉はハマトンの書籍『知的生活(intellectual life 1873)』がオリジナル。この書籍はそこから影響を受けて書かれたものです。

フィリップ・ギルバード・ハマトンは、19世紀のイギリス人作家です。ハマトンの書籍『知的生活』は、1873年に刊行されました。

この本は当時のヴィクトリア朝のイギリス人に向けたもの。なので、著者の渡辺さんは自身の体験をもとに現代版を書くことにしたそうです。現代版といっても、1976年なので40年以上前のものですが。

「知的生活」は色々とありますが、この本では読書に関することが最も多いです。

内容の比率は「読書:その他=7:3」くらいです。

心に残った言葉と感想

それって本当に面白いの?

 “面白くないと公言する必要はないが、本当に面白いと思わないものを面白いというふりはしていない”
ー「知的生活の方法」

ハムレットの登場人物ポローニアスの言葉に『己に対して忠実なれ』があります。

これが渡辺さんの読書に対するモットーです。

難しそうな古典を読んだとき、何も面白いと感じなかったのに、つい見栄をはって面白いと言ってしまうことはありませんか?

また、世間でベストセラーと称されている書籍を読んで、面白くないと思っても「おもしろかったよ」と言ってしまったり・・・

しかし、本当の感性を磨くことができるのは「自分自身に忠実であるとき」です。

感性を磨き、ある一定の基準に達すれば他者の意見に左右されず、自分で「面白さ」の判断ができるようになるとのこと。

偽ったままだと、一生その感性を身に付けることはできず、周りの環境に自分の考えが左右される人生を送ることになります。個性のない人間です。こわいですね。

早めにそのような姿勢を身に付けることが大事です。

物事の良し悪しを判断する力を磨く

“身銭を切れば、まずいかうまいかについての判断が厳しくなる”
ー「知的生活の方法」

おごってもらったものよりも、自分のお金を使う方が、うまいかどうかの判断基準がよりいっそう厳しくなるということです。

著者いわく「凡人の場合、身銭を切るということが判断力を確実に向上させる」とのこと。

せっかく自分のお金を使うのなら、誰だって損はしたくありません。おいしいものを食べたいのは当然の心理。そういったところから必然と判断力が研ぎ澄まされていくんですね。

これには、僕も同意。

例えば、僕の好きなマジックにも当てはまります。まだ始めて間もないころの中学生のとき、なけなしのお小遣いを使ってマジック道具を購入していました。

購入の際も「これは本当に良い商品なのか、価値はあるのか」をネットで徹底的に調べます。実際に買って良くないものだったら、本当にガッカリした気持ちになります。しかし、その失敗は次に生かされ、良いものを見抜く目が養われていった気がします。

しかし、それが誰かからもらったものだったり、価値を見抜く力が養われなかったと思います。

モノの良し悪しを判断する力を身につけたければ、自腹で購入するのが大事。これは日用品でも、ファッションでも、楽器でも何でも言えることかもしれません。良し悪しがわからないのであれば、積極的にお金を使っていきましょう。

だんだんと洗練されていきます。

繰り返し読むことで残った一冊が「自分だけの古典」

"自分だけの古典を見つける"
ー「知的生活の方法」

長きにわたって多くの人に親しまれて残ってきた本を一般的に「古典」と呼びます。

著者はそのような古典ではなく『自分だけの古典を見つけろ』と言っています。

自分だけの古典とは「繰り返し読むことで残った一冊」のことを言います。

僕は、同じ本を二回以上読むことが苦手です。どうしてもその時間がもったいなく感じてしまい、それならと新しい本に手を出してしまいます。

しかし、著者はそうではなく、繰り返し読むことの重要性を説いています。一度読んだ本は、物語の筋が頭に入っていますので、二回目は細かな表現やニュアンスに注意を向けることができます。

そうやって繰り返し読んだ本はその人の血となり肉となります。その本が古典です。しかし、そのように繰り返し読むに堪える本は数多くありません。

そういった本に出会えたことは、相当に大きな人生の幸福と著者は言っています。

最後に

日本人の性格として、多くの人は他者の意見に合わせてしまいがちです。

自分の価値観をしっかり持ち、物事を判断できる力を身につけたいものです。
そのためには、面白いものをおもしろい、面白くないものをおもしろくないと言えることから始めるのが良いのではないでしょうか。

そして、その価値の判断基準のもと是非とも自分の古典を見つけてみてください。

まだ僕はそのような本にあまり出会えてないのかもしれません。
是非とも自分の古典となる本を見つけたいと思います。

この本を読んで、さらに「読書」に興味が湧きました。
読書こそが「知的生活」のカギです。

以上、「知的生活の方法」を読んだ感想でした。

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magiyama

1992年生まれ。名古屋・京都・東京を転々とし、現在はイギリスに拠点を移しブロガー兼フリーランス翻訳者として試行錯誤する毎日を送っている。ロンドンから生の音楽シーンやカルチャーを届ける他、一生モノのプロダクトを紹介。趣味はマジックとけん玉。

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