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Culture コラム

【雑記】ふと思ったこと『クラウド化と人間の記憶』

2017/12/29

こんにちは。
Magiyamaです。

最近の技術の進化は目まぐるしいもので、次々に新しいITシステムやサービスが作られます。クラウドサービスもその一つです。例えば、営業支援や顧客管理のクラウドサービスを提供している『Salesforce』やクラウド型のメモ管理アプリ『Evernote』など、世の中には便利なサービスがどんどん増えていますね。

インターネット上にある資源だけでサービスを受けられので、携帯端末にデータを保存する必要がなくなります。

『Dropbox』や『iCloud』などのクラウドストレージサービスを利用すれば、写真や動画を携帯端末に保存する必要がなくなります。例えば、iPhoneだと容量の大きさが小さいものから大きいものまで数種類あります。

しかし、クラウドサービスを利用すれば、16GBの一番小さな容量で十分対応できます。デメリットは、ローカルに保存していないためインターネット環境が無くなると何もできなくなってしまう点ですが、今は地下鉄の中でさえ電波が届く世の中ですので、そう大して心配する必要はないかと思います。

ここまでの話とは一見あまり関係ないと思うかもしれませんが、私は最近記憶力が悪くなっているように感じられます。

手書きで文書を書いているときには、漢字が思い出せなくなったり、顔は思い浮かべることはできるけど、名前が出てこなかったり、あぁ記憶力落ちてきたなと思うことがしばしばあります。

池谷裕二氏と糸井重里氏との対談形式の著書『海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス』によれば、年をとると物忘れがひどくなると言われているけれども、それは蓄積された情報量の問題であると述べられています。
海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス

子どものときは、記憶力が良い。何故なら、頭に記憶された情報が少ないからです。そのため容易に引っ張りだすことができる。それに比べて大人は経験も豊富になり、頭に蓄積された情報量はかなりのものです。

そんな膨大な情報から、特定の事柄を検索して引っ張ってくるのは、至難の技だということは納得できます。パソコンでも容量が多くなるとその分、特定のファイルの検索に時間がかかる。そのことから、年を重ねることで脳が衰えていく、というわけでは決してなさそうです。

ここからが本題ですが、年を関係なく、僕は人間の脳、それ自体が衰えているような気がします。完全に科学的根拠もない持論になるのですが、その原因となっているのは、ITで便利になった環境そのものかと思います。

最初に述べたクラウドの話と繋がりますが、人間の記憶の容量は、まるで容量の小さいiPhoneを選択するように、縮小傾向にあるのではないかと思います。

例えば、会話をしてて何か思い出せないときがきたとしても、すぐに携帯で検索して調べることができる。分からない漢字が出てきても、キーボードの変換を使えば、すぐに知ることができる。

つまり、毎日の生活で沢山の記憶をする必要がなく、携帯があればなんとかなる。そのような環境が、遺伝子レベルで人間の必要のない能力、記憶力を少しずつ低下させているのではないかと思います。時が経ち、ITがさらに発展した時代には、人間は最低限のことしか記憶できない脳の構造に変わっているかもしれません。

先日ディスプレイ業界のセミナーに参加したのですが、そこのプレゼンテーターがこのように話していました。

ディスプレイの究極の形は、ディスプレイが無いこと」。

スタンドアローン、つまりデジタルの世界を分け隔てている壁であるディスプレイが無く、直接人間の脳からデジタルにアクセスできる状態のことです。その分野で研究を進めている企業も存在しているそうです。

小説で言えば、ギブソン氏の『ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)』、
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

映画で言えば『マトリックス』、
マトリックス 特別版 [DVD]

アニメだと『攻殻機動隊』の世界ですね。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX シーズン1+2 コンプリートDVDBOX [Import]

こんなSFのような世界になるなんて到底想像はできませんが、現代技術の進歩は計り知れないので、本当にそのような時代がやってくるのかもしれませんね。

その世界では、ディスプレイや端末がないので、自分自身がほぼiPhoneみたいなものです。そんな状態になってしまったら、間違いなく記憶のキャパシティは、生活で困らない最低限の容量へと変化するかと思います。人類それぞれが持つ知識や情報は均一化されるので、記憶力が下がる一方、高まる能力といえば、思考力やリテラシーになりますね。今日でも採用の現場では、そのような能力が重視される傾向にあるようですが。

時代の変化と言ってしまえばそれまでですが、個人的に、記憶力の低下は抑えたいです。

そのためにも、デジタルから離れてアナログ的な生活にも触れる機会を作るべきだなと思う今日この頃です。

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magiyama

1992年生まれ。名古屋・京都・東京を転々とし、現在はイギリスに拠点を移しブロガー兼フリーランス翻訳者として試行錯誤する毎日を送っている。ロンドンから生の音楽シーンやカルチャーを届ける他、一生モノのプロダクトを紹介。趣味はマジックとけん玉。

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