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【書籍】アランの『幸福論』を経営者やフリーランス(クリエイター、パフォーマーetc)の視点から読む

2016/11/03

こんにちは。
magiyamaです。

1週間に1回ブログを更新できるのが良いのですが、仕事の合間に時間を見つけて記事をアップするのは、なかなか難しいことなのだと実感してます。それでも、少しずつ自分のペースで記事を増やしていければと思います。

それでは、本題にいきたいと思います。

本日のテーマは、『アランの”幸福論”』。

幸福論 (岩波文庫)

この本はアランによって1925年に出版されましたが、90年経った今でも色あせることのない名著です。

様々な名言で溢れたそんな幸福論ですが、どのような視点で読むかによって共感できる箇所が異なってくるかと思います。

今回は、その中でも、経営者やクリエイター、パフォーマーなどフリーランスの心に響くであろうと思う言葉を紹介したいと思います。

そういった職業の方、あるいはそのような仕事をしたいと考えている人にとっては、きっと心の支えになるはずです。

それでは、私の感想と一緒にいくつか紹介します。
※ページ番号は、岩波文庫を参照しています。

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名言集

男は、つくり出したり壊したりするものが何もない時、まことに不幸である。p129

アランいわく、手を常に動かしていれば、将来の不安など思考を巡らす必要がないため、不幸を避けることができるとのこと。仕事は辛い面もあるが、同時にこのような効能も存在する。

われわれのほとんど皆、自分の果たすべき職業を持っている。われわれに欠けているのは、その職業から息抜きさせてくれるような小さな仕事である。p130

利益が少なくても例え失敗しても大きな損害のない仕事を副業にする。いくら小さいくても一つの仕事であり、趣味としての息抜きでもある。それが人生を豊かにさせる。

だれだって強いられた仕事は好きではない。しかし、自分の意思で労苦をつくり出すやいなや、ぼくは満足する。自分が好きでやっているこういう仕事は楽しみでたり、もっと正確に言えば、幸福である。p142

自発的に行う仕事でなければ、苦痛でしかない。逆に自分が好きでやっている仕事は、いくら苦労や大きな壁が立ちはだかったとしてもそれは苦痛や過度のストレスにはならず、逆に成長を助ける経験やスパイスになる。

人は、棚からぼた餅のように落ちてきた幸福はあまり好まない。自分でつくった幸福が欲しいのだ。p143

もらいものより、自分の力で手に入れたものにこそ真の価値がある。起業or独立精神

人間が幸福であるといえるのは、何かを欲する時とつくり出す時である。p149

人間は、元来的に、クリエイティブすることに幸福を覚える。

仕事というのはすべて、自分が支配者であるかぎりはおもしろいが、支配されるようになると、おもしろくない。p149

これには、かなり共感。常に経営者マインドで仕事に取り組みたい。

人間はもらいものの楽しみにはうんざりするが、自分で勝ちとった楽しみはすごく好きなのだ。p150

上記のたなぼたと同じ。やっぱり、自分で勝ち取ってこそ。

自分でやること、人にやってもらうのではない。そこはよろこびのいちばん深い意味がある。音楽の楽しみも、ただ聞いてるだけで、まったく歌わないならば、大したものは得られない。p159

音楽、映画、小説、スポーツなど全てに言えることだが、見たり聞いたりするだけでなく、実際にやらなければ本当の面白さはわからない。楽しみをもらう側でなく、与える側にもなる。それはまた異なった楽しみ。

仕事をしている職人は何かをつくり出し、いつも学んでいるからだ。しかし、まったく機械的な作業は退屈をもたらすばかりではなく、時には大きな混乱となることがある。p161

工場のライン生産やコンビニのレジ打ちなど流れ作業で出来る作業はケアレスミスが起きるだけでなく、大きな問題を起こすこともある。それは主体性を奪われ、歯車の一部になり、ただやらされているだけであるから。自発的に生み出す仕事をすれば、常に学びの連続で、一度した失敗もどんどん改善されていく。

始めは無理にやらねばならないこともある。乗り越えなければなならないものはいつもある。仕事を規則正しくすること、そして困難を、さらなる困難をも乗り越えること、これなおそらく幸福に至る正道である。p293

どんなことでも、最初は大変。しかし、それを乗り越えることで未知の楽しさが見つかる。逆に困難なく、すんなり受け入れらてしまうものには大きな価値はない(ex商業的な大衆音楽、映画。ジョージ・オーウェルの小説『1984年』ではディストピアを作るため一つの方法としてこれらを利用し、市民から考える力を奪った)。

最後に

幸福論には、アランの考える幸福がまとめられていますが、現代の私たちでも共感できる言葉がたくさんあると思います。

今回は、経営者やフリーランス視点で絞った言葉でしたが、まだまだ名言で満ち溢れていますので、是非みなさんも読んでお気に入りの言葉を見つけてほしいと思います。

私的に幸福論は、さぁ読むぞと肩肘を張るのではなく、ベッドの近くなどに置いておいて暇な時に数ページをパラパラ読む方が、一つ一つの言葉の重みが増し、毎回新しい発見があるのでオススメです。

幸福論 (岩波文庫)
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岩波書店
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magiyama

1992年生まれ。名古屋・京都・東京を転々とし、現在はイギリスに拠点を移しブロガー兼フリーランス翻訳者として試行錯誤する毎日を送っている。ロンドンから生の音楽シーンやカルチャーを届ける他、一生モノのプロダクトを紹介。趣味はマジックとけん玉。

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