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【翻訳&考察】Stone Roses、21年ぶりの新曲『All For One』の歌詞について考える
2018/11/16
こんにちは。
magiyamaです。
本日は、Stone Rosesの新曲『All for one』をご紹介したいと思います。
Stone Rosesは1995年にTen Storey Love Songで新曲を発表したのが最後になりますので、
今回の新曲は21年ぶりの新曲ということになります。
現在、彼らは世界ツアーを行なっている真っ最中で、先週のこの日は来日して武道館公演を行う予定でした。
しかし、レニの指の骨折により公演はキャンセル。結局、4年ぶりの期待の公演はなくなってしまいました。
(僕もパソコンの前に張り付いて一生懸命チケットを取ったのでかなり残念な気持ちです)
Stone Rosesは僕の好きなバンドのひとつですが、もう二度と新曲は出ないと思っていたので、まさか新曲を聞けるなんて思ってもみませんでした。ちなみに昔の記事『【ファッション】バゲットハットの魅力』でレニのバケットハットを紹介したこともあります。一部の曲紹介もこちらの記事『【音楽紹介】小説『白い嘘』に出てきたアーティスト&曲 まとめ』でしました。
90年代を代表するUKのバンドですが、知らない人もいるかもしれないのでバンドの概要を少しだけ説明してから、曲紹介に入りたいと思います。
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Stone Roses とは?
Stone Rosesは1983年にイギリスのマンチェスターで結成されたロックバンドです。
主要メンバーは、イアン・ブラウン(ボーカル)、 ジョン・スクワイア (ギター)、マニ (ベース)、レニ (ドラム)で構成されています。
1989年にファーストアルバム『ストーン・ローゼズ』、1994年には2作目のアルバム『セカンド・カミング』を発表しています。シングルやコンピレーションアルバムなどを除けば、この二つのみが正式なバンドのアルバムになります。
そして、2作を発表後、早くも1996年にはStone Rosesは解散してしまいました。
しかし、その後、何度か再結成の噂が広がり、2011年に正式にバンドの再結成が決定しました。
2012年にはフジロックフェスティバルに出演のため来日したこともあります。
それでは、そんな伝説的なバンドの記念すべき21年ぶりの新曲をご紹介しましょう。
新曲『All For One』
早速、曲を聴いてみましょう!
歌詞の和訳
All For One 〜皆は一人のために〜
All for one, one for all
If we all join hands, we'll make a wall
皆は一人のために、一人は皆のために
皆で手を取り合ったのなら、皆で壁を作ろう
All for one, one for all
If we all join hands, we'll make a wall
皆は一人のために、一人は皆のために
皆で手を取り合ったのなら、皆で壁を作ろう
All for one, one for all
If we all join hands, we'll make a wall
皆は一人のために、一人は皆のために
皆で手を取り合ったのなら、僕たちで壁を作ろう
inside of me, for all to see
In harmony, all designed to be
The mystery, all eyes can see
Chemistry, all one family
僕の内面、皆に見えるように
調和、皆そうなるよう形作られ
神秘、皆の目で見ることができる
化学、皆ひとつの家族
All for one, one for all
If we take a stand, we shall not fall
皆は一人のために、一人は皆のために
皆で声高に表明したら、僕たちは倒れることはない
Inside of me, for all to see
In harmony, all designed to be
The mystery, all eyes can see
Chemistry, all one family
僕の内面、皆に見えるように
調和、皆そうなるよう形作られ
神秘、皆の目で見ることができる
化学、皆ひとつの家族
Inside of me, all over me
Behind of me, right in front of me
Inside of me, for all to see
In harmony, all one family
僕の内面、僕の全身
僕の後ろ、僕の目の前
僕の内面、皆に見えるように
調和して、皆ひとつの家族
Inside of me, for all to see
In harmony, all designed to be
The mystery, all eyes can see
Chemistry, all one family
僕の内面、皆に見えるように
調和、皆そうなるよう形作られ
神秘、皆の目で見ることができる
化学、皆ひとつの家族
All for one, one for all
If we all join hands, we'll make a wall
皆は一人のために、一人は皆のために
皆で手を取り合ったのなら、皆で壁を作ろう
歌詞の解釈
ぱっと見たときは、シンプルで和訳は簡単そうかなと思ったのですが、シンプルだからこそ少し難しいところもありました。この歌詞を翻訳したところで、早速、この歌詞の解釈に移りたいと思います。
まずは『All for one』についてです。タイトルでもあり、歌詞の中でも繰り返し出てきます。
正確には『All for one, one for all』で一つのフレーズです。日本でも『ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために』というフレーズがありますので、もしかすると既に聞き馴染みがあるかもしれません。
なぜか、日本語では、『ひとりは〜』から始まるパターンが聞き馴染みがありますが、一方今回の歌詞のように海外では『All(みんなは)〜』が多いようです。まずは自分ではなく、他人を優先する日本人にとっては『ひとりはみんなのために』が最初に来た方がすんなり頭に入ってくるのでしょうか。
これは、元々、フランス文学の『三銃士』で4人の銃士がお互いの誓いを込めて使われたフレーズになります。さらに遡れば、1618年のボヘミアで開かれたカトリックとプロテスタントの集会で使われたのが始まりとまで言われており、歴史のある興味深いフレーズになります。
今回の歌詞は、記念すべき再結成の曲なので、三銃士のアトス、ポルトス、アラミスとダルタニャンをメンバー自身に重ね合わせている可能性が高いと思われます。
海外のレビューを見ていると、政治的な風刺も入っているのではないかという意見もあります。
例えば、『If we all join hands, we'll make a wall』のwallです。
これが最近何かと世間を騒がしているアメリカの大統領候補のトランプ氏が公約としている『不法移民対策として米国とメキシコの間に大きな壁を築く』の壁に対する言及ではないかではないかという意見です。
確かにそういう見方もあるのかと思ったのですが、20年以上ぶりの新曲であることと他の歌詞との文脈からも僕は再結成を声高に表明するための側面の方が強いと思います。
バンド復活を祝う曲だという前提があれば、Allは『世界中のみんな』とかではなく、メンバーたち自身であり、Oneはメンバーそれぞれを指しているのだと思われます。そう考えると、他の歌詞の意味もわかってきます。
Wallは、メンバーが手を取り合って作る決して壊れることのない鉄壁であり、『If we take a stand, we shall not fall(皆で声高に表明したら、僕たちは倒れることはない)』からも再結成に対する信念の強さが感じられます。
『inside of me~』の部分もきっとメンバーに対する言葉でしょう。
この箇所を個人的な解釈で深読みすると、『もっと自分の考えを知ってもらいたい。バンドはこうなるように決められていたんだ。これから起こる神秘を皆で目撃しよう。化学反応が起きている、皆一つだ!』という感じかなと思います(笑)
まとめ
Stone Rosesが好きすぎて、今回の記事にはつい熱が入ってしまいました。
悩みながら翻訳してそれぞれのフレーズの意味を考えることで、この曲に対する理解が深まった気がします。
歌詞に耳を傾けながらしばらくはこの曲を毎日ヘビロテしたいと思います。
日本公演がキャンセルになったのは心の底から残念な気持ちでしたが、今後また機会がきっとあるはずでしょう。
早く新作アルバムが出来上がるのを楽しみに待つことにします。
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magiyama
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